靴ベラの製作－２８・・・木たちの治療と最終仕上げ

靴ベラ製作、最終仕上げオイルの最中・・・

いつものことだが、木地レベルでは把握できなかった
微小なヒビや割れが、仕上げが進むに連れ分かってくる
正直、本来ならば補修の必要はないのかもしれない
もしウレタン塗装で仕上げていれば
そのまま気づかずに、最終仕上げまでしてしまうだろう



研ぎが中心のオイルフィニッシュの
良い処でもあり、欠点でもあるかもしれないが
仕上げが進むにつれ、木地上がりの良し悪しが鮮明になってくる
途中何度も清水をうって、強制的に毛羽立たせているのに
こうしてオイルフィニッシュが進まないとわからない



自分のように、端材や辺材に近い部分も
材の、言わばお刺身部分と同じように扱い
極力木たちの言うことに耳を傾け
切り落ちを出さない事を前提に物作りをすれば
必然的なことなのかもしれない



そうは言っても、多少なりとも金銭をいただく製作もする以上
安全性は言うまでもなく、美観や満足感も網羅できるよう
持てる技術と、研ぎ澄ました感性をもって
全ての工程に対処する事が当然の使命



今回製作の４０数本のうち、４材種の補修を告白
上の２枚のフォト、サティネと高級材ペルナンブーコは
オイル前の補修で、無論すぐに分かるが
本紫檀と縞黒檀は、言われても分からない程に
微小なヒビを、丹精こめて補修を施術



おっと、、、スタンドも一緒に仕上ていかないと
傷防止のコルクを貼って、焼版で「命（銘）」入れして



さて、次はアップの最終用意！
１０００枚近くの撮影だぁぁぁ～

早く、次の作製に入りたい。。。
けど、その後包装も待ってる。。。

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お勧め関連記事
2007/12/24 「オイルフィニッシュとの出会い－１」
http://koubou-tomo.blog.so-net.ne.jp/2007-12-24

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きこりの住む村・・・南会津

前回に続き、新潟からの戻り途中・・・

折角なんで、世界遺産奥入瀬に負けずとも劣らない
奥只見～尾瀬、周辺の原生ブナ林を巡り
東京では味わえない、緑深い広葉樹のエアーを身体に充填し
渋滞を避け、大廻りで南会津方面を通り抜けていた



何と途中に、巨大なウッドショップを発見
４時半の閉店時刻を、少し回っていたが
店内を明るくし直して、快く迎えてくれた「感謝」



装飾品・家具・小物類を陳列した、店内をそそくさと潜り抜け
お目当ての、材料売場へ早速に潜入
まず目に飛び込んできたのは
巾並み２ｍ弱、長さ４ｍ程のケヤキの大板



そんなんで驚いてはいられない
巾はゆうに１ｍ、長さも４ｍ以上、厚みは何と１尺（30cm）
はあろうかという、栃の板がゴロゴロ



長さはないが、こんな巾２ｍ以上の板も



広い店内、さらに散策を続ければ
大きいだけではない、杢板（銘木）も目白押し



階上に赴けば、自分でも使えそうな
いわゆる「端材」の嵐＾＾



ただし。。。９５％以上が和材で
自分が見た中で外材は、ウォールナットとメープルだけ



唯一、興味を引いたのがご覧の槐の角材でした
和材に興味ないわけではないけど
どうしても、硬くて重くて、言うこと聞かない奴が、、、
可愛くてどうしようもない

折角開店時間延長していただいて
槐（エンジュ）の角棒１本の購入で、、、

「ごめんなさい」

でも、とっても勉強になり、興味深く拝見しました

「ありがとう」

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刃物の街・・・燕三条

盆の最中、車の渋滞をすり抜け
仕事半分、遊び半分で、新潟界隈を周遊してきた
今回の予定の中で一番の楽しみにしていたのが
刃物の街、燕三条へ立ち寄る事



このブログを拝読してくださっている方は、ご存知と思うが
平鉋や平鑿等通常の刃物類は、家具職人時代からの
永年の木たちとの付き合いの中、コツコツと買い揃えてきた



五十路を回り、今唯一欲しい刃物はただひとつ
汎用性のある小刀の類だけ
特別開催の刃物市に、そそくさと足を運んでみると・・・
さすがに本場の街、見たこともないような刃物のオンパレード



鍵のかかったショーケースに入れられた刃物を
十丁以上、順番に手にとって見る・・・
迷った挙句、ひとつだけ眼に止まったのがこれ



刃物の専門家でもないし、目利きできるわけでもないが
ファーストインパクトと、指でなぞらえた刃先の感触
刃裏の反り具合を親指の腹で確かめて
一発で、、、「お気に＾＾」



ついでに残りわずかになった、天然砥石を思い出し
現品の廉価の上仕砥（仕上砥石）と・・・
叩きに使える３分の丸刀を一丁



驚く事に３品合わせても、１万円で充分な釣銭があったんで



小生が住む都会には少ない、巨大なホームセンターで
ベンチグラインダーを、３千円＋ほどで買っちゃいました

相変わらず気風のよさと、思い切りの早さには
我ながら「賞賛」、パチパチパチパチ～～～～

あ～、早く東京へ戻って工房へこもりたい。。。「衷心」

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工房に新入り－１５

前々回に続いて、本年？回目の新入り君の紹介
今日はいっぱいいますよ～



まずは、和材の楓（イタヤカエデ）さん
昨今、同属のアメリカンメープル君に押されがちだが
比重を考慮した強度、均一性、楓類固有の粘っこさ・・・
決して引けは取りませんよ～
エッジや象嵌用に、ご覧の断面様の、棒材を購入



どんな形にしても様になる、ともの大好きなチークさん
辺材部に近い、幅広の薄板２枚を購入



中米の逸材、ホンジュラスローズ君
薄紫がかった濃茶色に、広めの黒色縞が美しい
ご覧のように、真に端材中の端材を購入



７尺ほどの長尺材とは言え、各所に割れの入った
縞黒檀さんの厚板を購入
黒い材は、いくらでも使い道がありますね～～～



ハカランダ（ブラジリアンローズ）やボコテと並んで
南米リオグランデ一族の人気材、橙色にチョコ色縞が美しい
ココボロ君の厚板を３枚購入
エッジ材しかもっていなかったんで、すごく嬉しい＾＾

もし全うな材料なら、ざっくり市価の1/10程度で購入
材料に良し悪しなんかはありません！
全て材を使う人の、木たちへの愛情と技量です

・・・大声で言うほどの技量はありませんが、愛情は負けません

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お勧め関連記事
2009/2/17 「工房に新入り」
http://koubou-tomo.blog.so-net.ne.jp/2009-02-17

2009/3/3 「工房に新入り－２」
http://koubou-tomo.blog.so-net.ne.jp/2009-03-03

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ビジネス部材製作-１５

２ヶ月ぶりにビジネス部材製作を紹介
今回は少なく、３ロケ１５ピースほどの製作

小物材料ではないので、紹介はしなかったが
あまりに安かったんで、以前一緒に買っておいた
和材、桂さんの板材をメインで使用



桂さんと言えば、知る人ぞ知る彫刻材の王様
いや、、、王様は朴（ホオ）だから女王様かな



使いまわしの材と一緒に分決め、刻み
表面仕上の鉋がけだって、思いのままで人肌に
ペーパー処理なんかいらないくらいにつるっと研削＾＾
接着シーラー塗って、乾き待ちの間に
塩ビフィルムを合う大きさに裁断しておいて



フィルム経師屋さんに早代わり
手馴れた手つきで、ぴたっぴたっとたちまちに厚化粧



全て意のまま思いのまま、に仕上がって楽しいようだが・・・
違うんです！クセのある言う事を聞かない材君たちを
なだめてすかして、自分流にすることこそ
木工の真の醍醐味・・・って、昨今開眼しました

「何かご異論でも？」

ビジネスもこのスタンスだから、儲からないんだなぁ。。。

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工房に新入り－１４

今日の新入り君紹介は２名

一人は、高級和材黄楊の代用品で有名なアマレロ一族出身
その中でも、トップクラスの美観・性能・価格を誇るペクイア君
年に何度か立ち寄る、仕事の営業先近所のショップで購入
薄板で割れも多数入っているので、通常の1/4～1/5程度かな



ペクイアは、以前にも箸やマウスパッドのエッジで利用
何と言っても、「濡れ」の少ないその美しい黄色と
（「濡れ」・・・オイルや塗料を施した際の色の変化）
緻密で均一、他に類を見ない滑らかさが魅力の逸材
数あるアマレロ族の中で、ともが最も好む材料



今日、もうお一方は、、、
材料さんではありません、扇風機さんで～す

自転車での通勤途中、一人暮らし若者？の引越しの残財で
ご自由にお持ちください状態で、公道に放置
普通なら気に留める事もなく、通り過ぎるところだが
連日の暑さから、工房内でも「涼」を求めているとこなんで
使い物にならなくて元々のつもりでいただいてきた



電源を入れると、何と回ったのはいいが、、、
肝心な羽を押さえるネジキャップが、「ない。。。」
なければ、作ればいいじゃな～い＾＾



ってな風に、硬軟適度なクスの端材でキャップを製作
ご覧のように、ちゃ～～～んと回って働いてくれています

どこの誰だか知りませんが・・・
工房内はずっと涼しげになりました

ありがとうございました

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靴ベラの製作－２７

前々回「靴ベラの製作」のつづきです

手鉋～ドラムサンダー～３回の手ペーパーの末
靴ベラの木地加工がやっと終了



待ちに待った、オイルフィニッシュの開始～



清水打ちと幾度もの研磨で、白っぽくなっている材達に
オイルを充てると、ご覧の通り見違えるように
生き生きと発色よく、自らの存在を主張し始める



いわゆる「濡れ」の状態
ご覧の「サティネ」「タガヤサン」「本紫檀」「縞黒檀」
の様な濃色の材ほど、いきなり、その表情を一変させ
自らが逸材である事を、競い合って主張しだす



最終の出来を左右する、大事な一回目のオイル研ぎ
力と時間と、何より感性を研ぎ澄ませて
飽くことなく、研磨を繰り返す



直線は直線らしくきりっと
丸面は丸面らしく滑らかに

磨きを含めた工程に、あと正味３日は必要かな・・・
でも、どんどんお利口に可愛くなってくれるんで

たのしぃ～～～

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工房で失策。。。

うだるような暑さの中、工房での失敗談を
恥ずかしながら。。。「披露」

楽しみな休日の朝、いつも通りに工房に入ると
何か溶剤の香りが立ち込めてる
この暑さのせいだろうか？と棚を眺めると
棚１面の床が、油がしみこんだようになってる



一斗缶で購入したオイルを、使いやすいように小分けした
洋酒ビンが、この暑さで膨張して割れてしまい
案の定オイルが周囲に、回ってしまったようだ



そのビンが入っていた、丈夫な箱もご覧の通り
チークオイル700ccの損失も痛いが
大事に至らなかったので、我慢して油まみれになり片付け



悪い時には、悪い事が重なるもので
前回紹介した、靴ベラ手加工でのこと
七分程の角棒部分を、丸面に面取りをしている最中



本紫檀と一緒に、自分の親指の爪も面取りしてしまった
鉋刃がまだそんなに鈍っていなかったので
ご覧の通り、割かしスパッと削れ
不幸中の幸いで、爪の皮１枚だけは残ったので
１滴の出血もなく、傷テープ巻いて作業続行



暑さ対策とは言え、Ｔシャツ＆海パンに
ご覧のようにサンダルもつけずに
裸足で作業なんかしているからだろうか？？？

んんん～～～、でも、、、暑い。。。

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靴ベラの製作－２６

07/23「靴ベラの製作」記事のつづきです

靴ベラスタンドの木地仕上げがやっと片付き
何やかや２ヶ月以上、粗木取りでほったらかしの
靴ベラの手加工をやっと始められる



使う鉋は・・・
・小平鉋２丁
・長台に仕込んだ４分の鉋
・一分五厘の面取り鉋
・四分の内丸鉋



幾分、刃を出し気味の小鉋で粗削り
逆目は怖くないが、補修が効かないほどの掘り起しには注意！
長台仕込みの四分鉋で通直性を出して、、、と



薄い鉋屑の出る仕上の小鉋で、ヒュルヒュルっと研削
極力刃物レベルで形を整えるのが、時短のコツ＾＾
手製ドラムサンダーでＲ面の形を整えて、、、



白・橙・赤・茶・黒、色んな材色の削りをするから
ドラムサンダーで積もった研磨屑は
ご覧の通り、地層のお勉強になるほどに美しい＾＾
（美・・く、見えるのは、ともだけでしょうか。。。）



長さ・材種によって、まちまちだが
１時間に、２～３本のペースで進捗
約２日間かけて、４０本近い成型を終わりましたぁ

・・・鉋で、腕ぐったり。。。

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