古いお子たちの帰郷･･･オイル仕上のブラッシュアップ

テナント様が、監視モニターの置き場所にお困りのご様子
伺えば、柱の入隅の高いところに設置したいとのこと



大したものではないので、サービスでちょちょいと速攻製作
石膏ボードアンカーを使って所定の位置に取り付け



･･･な～んて最中、数日前お願いメッセージがあった
古いお子たちが、丁寧に包まれて我が工房へ到着



開梱してみれば、かなり前に嫁いで行った
タモ君製の、靴ベラと靴ベラスタンドが仲良く里帰り



ご覧のように、靴ベラにもスタンドにもあちらこちらに
オイルの噴き出し跡が多数。。。人で言えば汗疹のよう



事前の連絡で想像はしていたものの、全身で結構ひどい
直し方を教示したのだが、ご自分で治す自信がないとのことで
今回の、誰もが望まぬ帰郷になってしまった



原因は、嫁いですぐに気に入って使用を始めたが
幼少のお子様が、靴ベラを持って遊んでしまうため
物心がつくまで、ビニール袋に入れてしまっておいたとのこと
※その際にご連絡頂ければ、保存法を教示差し上げたのに。。。



心配していた含水率は、10％強と問題ない範囲だったので
数日間寝かせ、表層の乾燥を待ってから補修オイルを施術開始
※現在は、表層のみの含水率を計測する検針式だけではなく
　内部までの含水率を測ることのできる高周波式を併用しています



強めの溶剤で表彰に噴き出したオイルを丁寧に除去
通常の後半程の工程で、オイルを施術



施術を繰り返すこと数回、約一か月間お預かりして
こ～んな凛々しい元の姿に戻ることができ



里帰りした時同様、丁寧に包んであげて帰郷を終え
今のご主人様の下へ帰って行きました



最初のメッセージでも、おっしゃって下さいましたが
気に入っているからこそ、「きちんと治していただきたい！」

と～っても嬉しかったんで、、、お代はいただきませんでした


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差込製作－３・・・やっとオイル開始

１０月に入ってビジネスがタイトで週末も工房にこもれない。。。

本来のプロパー品「ペンケース」は完全にそっちのけ
短期間で終わらせる予定の差込製作
補充のマウスパッドも、木地完成後ほったらかし
で、ようやっとに今日からオイルフィニッシュを開始
実工程と同じ、色の浅い順に紹介

まずは、真っ先に補充アップしたい、キルテッドソフトメープルさん６枚


次にアップ品では初めてお出ましの、バーズアイハードメープルさん３枚


象嵌や目地ではおなじみのインドネシアンローズ、ソノケリン氏４枚


最後に、今では稀少材となりつつある、大好きな深紅のサティーネさん６枚


端材からの木取りで、補修していない材は半数ほどしかなく
木糞埋めや割れ留め等、手のかかった方たちばかりだけど


こうしてオイルと塗布してあげると、いきなり凛々しくなるなぁ


「違います！」本当に粗が見えてくるのはこれからなんです
それが、普通の塗料やワックス類と違うところ

むずかしぃぃぃ、けど楽しい＾＾

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2011/9/9 「差込製作－１・・・特定材のマウスパッド」
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ティッシュケース製作－７・・・オイルフィニッシュ

足掛け３か月目に突入した、ティッシュケース製作
やっとのことでオイル仕上に、、、



歳とったせいか、最近あちこちにかぶれができやすい
３人目の自分「木工人」で「仕事人」「家庭人」に
負荷をかけるわけにはいかないので
ちょっと高かったが、超薄手のゴム手袋を購入



無論、最終に近いオイル施術では素手でないと
思った風合いになっているか判断できないが
最初のうちだけでも、自らをガード。。。



ＢＯＸ型で、その内部はすこぶる研ぎにくいけど
折角木地は同じように仕上がっているんで
手袋をした大きな手を突っ込んでシャカシャカシャカ



色んな材使用で、色んな色の研ぎ汁が出るんで
淡色材が濃色材の色で染まらぬように順序よくサンディング



研磨剤を替え繰り返すこと５～６回



み～～～んな、思った通りのいい子に染まりました



さてと、、、次に工房来るときは
大嫌いな、備品付け～データ作成～包装。。。です

あっという間に、一日が終わりますように

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2011/5/17 「ティッシュケース製作－１・・・材料取り」
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続けてマウスパッド製作－２・・・木材の濡れ

前々回「続けてマウスパッド製作」記事の続きです

品薄になった材を中心としたマウスパッド君たち
超堅木君不在で、すすっと木地は終了、今日からオイル研ぎ
読者の方々には、オイルの工程は何度も紹介しているんで
今回は、木材の「濡れ」をちょこっと考察＾＾

釈迦に説法かもしれないが、「濡れ」とは木材が濡れた状態のこと
分かりやすく言うと、晴れの日の道路は薄いグレーだが
雨の日の道路は黒っぽく染まる、これが「濡れ」の状態

但し、木材の場合「濡れ」による材色変化はそれぞれで
大きく変化する材と、殆ど変らない材がある
そこで今回の材たちを、「濡れ」の浅い順にその変化を紹介
（上段が乾燥状態、下段が濡れの状態）

まずは「マカバ」さん



ご覧のように殆ど変化なし

次に「キルテッドメープル」さん



縮緬杢が浮き出て、幾分色は濃い目に変化

次に「ケヤキ」さん



芯材～辺材がはっきりして、いわゆるケヤキ色に変化

最後に「カリン」さん



薄桃色→濃橙色に大きく変化
ここで注意は、エッジの黄色「ペクイア」さん！
フォトでは分かりにくいが、殆ど「濡れ」は無し
「ペクイア」は、いつも鮮黄色で「濡れ」にくい材なんです



最終仕上げ前に、焼版押して命入れ＾＾、してっと
材君たちによって、こんなにも違う「濡れ」
木地作りは無論奥深いけど、塗装も負けてないなぁ

あ～～～、楽しい

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2011/4/15 「続けてマウスパッド製作－１・・・材紹介と鉋掛け」
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初めての大量注文－３・・・地震から明けて仕切直し

東北関東大地震で被災された方々におかれましては
衷心よりお見舞い申しあげます

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全てが滅茶苦茶の工房内、材料倒れ放題の材料置場
の片づけを、半日ずつかかって復旧



マウスパッドのオイルはそうでなくとも時間がないのに



完全に１日分の作業ロス



半分以上床に散乱したにも拘わらず
補修が必要な製品は数枚で収まったのが、何よりの救い＾＾



さてっと、気を取り直して「やるぞ～」
おっと待った、まだ余震が続いているんで



同じことを繰り返さぬように
とりあえずビニール紐で危ないところを倒れ止め



赤白綺麗な「マカバ」さん達に整列していただいて～
納期目指して、あと２回のオイル研ぎに「突入！」

とは言っても、ビジネスは相変わらずタイトだし
関西への出張もあるし、地方選の裏方作業も容赦ないし・・・

あ～～～、仕事だったらなぁぁぁ
どんなにメンタルもボディーも楽だろう。。。

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お勧め関連記事
2011/3/4 「初めての大量注文－１・・・桜のマウスパッド」
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2011/3/8 「初めての大量注文－２・・・試作とついで」
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フォトフレーム製作－４・・・久々の染色（薬品と染料）

前回の続きです

木地加工も磨きまで終了し、今日は塗装作業
作製しながら考えていたんだけど・・・
サティネがウッドデッキ材ということもあり
ちょっと、考えていたイメージより色が浅い（淡い）

真紅とまでは行かなくとも、せめてバーミリオン調にしたい
要は、サティネの強調色の着色を施す事を検討



まずは、強アルカリ系の薬品で染色
材中のタンニン？か何かと反応して、通常なら神代色調になるはず
ついでに、杉・ソメイヨシノ・チーク・縞黒檀にも塗布
時間と共にご覧の通りに変色
どうもチークや黒檀の脂気には効かないようだ
杉やソメイヨシノは予定通り神代色に
当のサティネは、、、ちょっと濃すぎだな。。。「却下！」



次に、以前近所の塗料屋さんでいただいた
古～い水性の染料を、バフ肌を毛羽立てないように
アルコールに溶かして塗布



オレンジとブラックを微妙に調色して塗布
本来なら赤錆系を少し足せば良いんだろうけど
あいにく持ち合わせがないんで、これで我慢



早速に、サティネのエッジ材全てを染色
アルコールに溶解させてるんで
毛羽も立たないし、乾きも浸透も早くでＧＯＯＤ



染色しない他の材料のエッジは、蜜蝋を摺り込み
蜜蝋独特の、何ともいえない爽やかな香りが立ち込める



ってな訳で、試行錯誤はありましたが～
約半日かけて、、、終了しましたぁ
でも。。。なんか物足りないなぁぁぁ

「何で？」

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お勧め関連記事
2008/5/4 「染料（その１）」
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2008/5/7 「染料（その２）」
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靴ベラの製作－２８・・・木たちの治療と最終仕上げ

靴ベラ製作、最終仕上げオイルの最中・・・

いつものことだが、木地レベルでは把握できなかった
微小なヒビや割れが、仕上げが進むに連れ分かってくる
正直、本来ならば補修の必要はないのかもしれない
もしウレタン塗装で仕上げていれば
そのまま気づかずに、最終仕上げまでしてしまうだろう



研ぎが中心のオイルフィニッシュの
良い処でもあり、欠点でもあるかもしれないが
仕上げが進むにつれ、木地上がりの良し悪しが鮮明になってくる
途中何度も清水をうって、強制的に毛羽立たせているのに
こうしてオイルフィニッシュが進まないとわからない



自分のように、端材や辺材に近い部分も
材の、言わばお刺身部分と同じように扱い
極力木たちの言うことに耳を傾け
切り落ちを出さない事を前提に物作りをすれば
必然的なことなのかもしれない



そうは言っても、多少なりとも金銭をいただく製作もする以上
安全性は言うまでもなく、美観や満足感も網羅できるよう
持てる技術と、研ぎ澄ました感性をもって
全ての工程に対処する事が当然の使命



今回製作の４０数本のうち、４材種の補修を告白
上の２枚のフォト、サティネと高級材ペルナンブーコは
オイル前の補修で、無論すぐに分かるが
本紫檀と縞黒檀は、言われても分からない程に
微小なヒビを、丹精こめて補修を施術



おっと、、、スタンドも一緒に仕上ていかないと
傷防止のコルクを貼って、焼版で「命（銘）」入れして



さて、次はアップの最終用意！
１０００枚近くの撮影だぁぁぁ～

早く、次の作製に入りたい。。。
けど、その後包装も待ってる。。。

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お勧め関連記事
2007/12/24 「オイルフィニッシュとの出会い－１」
http://koubou-tomo.blog.so-net.ne.jp/2007-12-24

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靴ベラの製作－２７

前々回「靴ベラの製作」のつづきです

手鉋～ドラムサンダー～３回の手ペーパーの末
靴ベラの木地加工がやっと終了



待ちに待った、オイルフィニッシュの開始～



清水打ちと幾度もの研磨で、白っぽくなっている材達に
オイルを充てると、ご覧の通り見違えるように
生き生きと発色よく、自らの存在を主張し始める



いわゆる「濡れ」の状態
ご覧の「サティネ」「タガヤサン」「本紫檀」「縞黒檀」
の様な濃色の材ほど、いきなり、その表情を一変させ
自らが逸材である事を、競い合って主張しだす



最終の出来を左右する、大事な一回目のオイル研ぎ
力と時間と、何より感性を研ぎ澄ませて
飽くことなく、研磨を繰り返す



直線は直線らしくきりっと
丸面は丸面らしく滑らかに

磨きを含めた工程に、あと正味３日は必要かな・・・
でも、どんどんお利口に可愛くなってくれるんで

たのしぃ～～～

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ビジネス部材製作－１１

前回「ビジネス部材製作」の記事のつづきです

木地作業も終了し、まずは木埃を徹底？排斥
この日のために購入したと言っても過言ではない
業務用掃除機フル稼働で、工房内の大掃除



普段は、オイルフィニッシュしかしないため
無論オイル作業の最中は、木埃を出さぬよう
極力、木工作業はしないようにしているが
さほどは、工房のあちこちに積もった木埃も気にはならないが
今回はそうは行かない



先達て、何気無く寄った家電量販店で
希望小売価格１０万円以上、市価５万円程の
ご覧の業務用掃除を見つけ
旧型番、未使用とは言え開梱済みとのことで
国産一流メーカー品を３万円程で購入＾＾

予想以上に工房内は、何年かぶりに綺麗になり
装い新たに、気分一新で仕上作業に突入



と思いきや・・・材料を絶対に無駄にしない
工房「とも」ならではの作業が・・・
節・割れ・欠け・・・の補修、「埋め木」「木糞」で対処。。。



ビジネスでも趣味でも、「気質」は一緒だな・・・
時間無いのに、、、「偉い」、、、ただの「けち」？

何とでも言ってください、直りません！
それが、木たちへの礼儀ですから

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１年ぶりのマウスパッド－６（塗装）

「例によって、待ちに待ったオイルフィニッシュへ突入」
・・・11月3日記事のつづきです

と思いきや、いつもながらに端材の集合体で
材料の無駄なく製作している関係上
木地仕上げが進めば進むほどに、材料の粗が目立ち始め
オイルを始める段になっても素直に専念できない



チークコアに、両エッジをイエローのペクイアであしらったが
割れのあるペクイアに補修を重ねてきたものの
最終段階で、割れの厳しさに絶えかねエッジを交換



手ごろな手持ちのペクイアは底をついたので
端材の中の端材２種、縞黒檀とスネークウッドでエッジ付け



他にも逆目の深いサティーネの微小な割れを塗装途中で発見
もちろん速攻で、エポキシ木糞で補修



お金をかけずに、手をかけ時間をかけ木たちに感謝
高価な材料ならこんなに鮮やかに



廉価な材料でもここまで清楚に



やっぱり自分は、嫌いな木は・・・ない！

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