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鉋の手入れ(台直し) [道具のこと]

鉋の手入れでもう一つ大事なのは「台直し」

先週に引き続き、釈迦に説法になるが
鉋台(材料に接する面)は、真平ではない
真平では真平の材料しか削れなくなってしまう

多少の起伏があっても、一定に削れるように
鉋台を調整する必要がある
また、鉋台も一般的には樫の木でできているから
(欧米製の鉋は、ステンレス製が多い)
狂いやゆがみも生ずるし、使えば減ってくる
そこで必要なのが「台直し」とよばれる作業

1111-015.jpg

立ち鉋(台直し鉋)とよばれる、90度に刃のついた鉋で
鉋台を横目方向に、少しづつ削り落としていく作業
鉋刃の裏押しほど労力はいらないが
すでに老眼の始まっている自分には
定規をあてて、微小な台の歪みを調整するのは難儀である

それでも鉋が調子よく削れるかどうかは
鉋台の調整によるところが大きく
素人でも刃研ぎは何とか格好はつくが
台の直し方を知らないと、絶対に調子のいい鉋にはなりえない

さて、鉋刃の裏出し~裏押し5枚
鑿の裏押し3枚(鑿は裏出しはしない)
台直しは数知れず・・・

1111-018.jpg

最後に油つぼを一つ作って、一日を終わりにしよう
「油つぼ製作」記事はこちら↓
http://koubou-tomo.blog.so-net.ne.jp/2008-09-13

あ~~~、芯から疲れたぁ~

※ もっと詳しい事が知りたい方がいらっしゃいましたら
 小生の知識で宜しければ教示いたします、コメントにてどうぞ

「この記事は111回目、偶然にもアップ日今日は11/11、でした」

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木の小物<特注品>承ります
http://www.kouboutomo.jp/kouboutomo/tokutyu-index.html

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木のティッシュケースは
工房とも
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鉋の手入れ(裏出し) [道具のこと]

本年初めのHPの公開以来、製作にばかり追われて
すっかり道具の手入れを怠っている
慣れない癖のある、でも可愛いやつらを削りに削って
子分の鉋たちはすっかり疲れきっている
そこで今日は、本腰入れて鉋たちのお手入れDAY

久々に鉋刃の「裏出し」、ご存知の方には釈迦に説法になるが
鉋刃は使い込むうちに「裏切れ」と言って
平らな光沢のある鋼の部分がなくなってしまい
研いでも裏切れを起こした部分が刃にならなくなってしまう

1107-009.jpg

そこで鉋刃を表面から思い切りよく叩いて、裏側に少々曲げてやり
その曲がった部分を「金砥」と呼ばれる金属製の砥石に
金剛砂を少々蒔き、清水をうち、鉋刃に上から当て木をして
こん身の力をこめて平らに研ぎ落とす(「裏押し」と言う)

1107-012.jpg

研ぐこと5分、途中何度か清水を加え
最後は水気がなくなり、熱を持たせない程度に
鉋刃が動かなくなり、裏刃がピカピカになるまで辛抱

1107-014.jpg

1枚裏押しするだけでも、ものすごくくたびれる
本当は屈んで、上から押さえつけるようにやればいいんだけど
そんなこと何枚もしたら、腰が。。。

何をやっても老いを感じます

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「油つぼ」製作 [道具のこと]

ちょっと前の事だが、新しい油つぼを作った

0913-030.jpg

今回作ったのは、一番左のやつ

「缶を見れば分かるよ~」
って言うのは、自分より年上の方でしょ?
そう、一番右のは25年以上前のもの
自分がビールを飲み始めた頃の代物

真中のやつだって、20年以上は使ってる
こっちは今でも似たような缶は残ってるけどね


製作途中のフォトを撮りわすれたんで、口で説明
>缶飲料の上蓋を皮すきで切り取る(けが注意)
>水洗いしてよく乾燥
>手鉋屑をぎゅうぎゅうに、七分目まで押し込む
 ・・・今回使ったのはこのクリの鉋屑

0913-024.jpg

>鉋屑にマシン油を充分にしみこませる
>九分目まで柔らかいウェスを入れて、下部の鉋屑を落ち着かせる
>缶から少しはみ出るように堅めのウェスを丸く押し込む
>マシン油をしみこませること数回

約30分の作業で出来上がり~
で、、、「これって何???」

こいつが結構すぐれもんで
とにかく何にでも使える、役に立つ
>プレーナーや昇降盤に塗って滑走剤
>鉋台の裏に塗って、台の消耗防止・滑走剤・保護剤
>研ぎ終わった刃物の錆び止め
>鋸・ペンチ・ドライバー、あらゆる道具の保護剤・滑走剤

本当は時間かけて、堅木をくりぬいて
使う楽しみのある「油つぼ」作りたいけど
時間と勝負している今は「がまんがまん」

今回作ったコーヒーの缶を目にしなくなるのは何年後だろう
妙に月日が経つのが早い今日日です。。。

この油つぼ、作ってみようと思われた方、実際に作られた方
コメントお願いします

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鉋・・・乱菊(その2) [道具のこと]

ともです

自分の送別会の最後の席で
ずっしりとした、この桐箱を皆から受け取った

0302-020.jpg

中を見ると、なんといつも恨めしげに
道具屋で見てた、あの「乱菊」
確かに冗談半分で仲間に「使ってみたいね~」
何て話はしてたけど、木工屋を離職する自分に何で???

12/07の日誌で記したように
この頃、自分と木達は、親友から
ただの知人に成り下がってしまっていた
今思えば、自分に何時までも木達と共にいて欲しいと思って
皆で相談して、贈ってくれたのかもしれない

離職して丸16年の間、桐箱にそのままの状態で
宅の棚の片隅に眠ったままで居た
今こそ使う時が、いや使える時が来たのかもしれない

HPで「乱菊」を検索してみた
目に飛び込んできたのは、何と「¥112,140-」
と言う、値札!!!

果たして、開封して本当に自分が使っていいものか?
まだ暫く開けられなくなりそう。。。

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鉋・・・乱菊(その1) [道具のこと]

ともです

自分の一張羅の鉋の紹介
(他の鉋がダメって分けじゃないけど)

昨年の12/28の日誌で書いたけど
自分が注文家具屋を離職する時
会社の仲間から(とは言っても、全員年上だったけど)
不相応な記念品をもらった
それが、これから紹介する鉋「乱菊」

自分が勤めた両国の会社の近くに
よく利用していた、昔ながらの道具屋があった
その店の一番奥のガラス棚の一番上の左隅に
後光を放って鎮座していたのが、この「乱菊」だった

0227.jpg

清楚な桐箱の中に、がっしりした刃頭をのぞかせ
いつも蔑むように自分を見下していた
その、自分にはどう考えても分不相応な「乱菊」が
まさか自分の手元に来るなんて・・・

送別会の最後に、皆から贈られた時
正直、自分の心の中には「躊躇」と言う言葉しか浮かばなかった

・・・次回へ

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鉋の話 その3 [道具のこと]

ともです

その1と その2で続けて鉋の話したんで
かなり専門的だけど、ついでにもう一つ
見た目は似た物の、平鉋と長台鉋についてちょこっと


kanna4.jpgkanna3.jpg

ご存知の方も多いと思うけど、鉋には色んな種類がある
自分が持っているだけでも
・・・平鉋
・・・長台鉋
・・・台直し鉋
・・・際鉋(きわ)
・・・脇鉋(わき)
・・・隅鉋(すみ)
・・・内丸鉋
・・・反り台鉋
・・・面取り鉋
・・・留め鉋
・・・溝鉋(みぞ)
・・・豆鉋
・・・南京鉋
・・・デコラ鉋
・・・・・・

ざっと思いつくだけでもこんだけある、自分は持っていないが
木工旋盤(ろくろ)に使う鉋なんかも含めれば、この何倍もあるだろう

そんな中で、通常最も使うのが平鉋と言われる一般的なやつ
誰もが「鉋」と言われて想像するあれだ
大工さんといわれる方たちはあまり使わないが
家具屋で次に重宝されるのが「長台鉋」
通常の平鉋と形は同じだが、台の長さが1.5倍くらいに長い

平鉋が、木材の表面を綺麗にするのが主な役割なのに対して
こいつは、材料の通直性を出すのが一番の仕事
その昔、木工機械がない時代は、よく使ったらしいが
プレーナー(電動鉋)と言う、素晴らしい道具がある今
建築現場では、殆ど目にしなくなっているようだ

先日アップした、黒柿のマウスパッドを見てもらいたい
日記にも記したように、黒柿の材巾が少々足りないんで
手持ちのローズウッドを、巾方向に足して接着してる
この2つの材料を接着する際に、その接着性能を高めるため
極めて通直製が要求されるが、この時使っているのが長台鉋

平鉋は、台直しの関係でどうしても削った後、
最初と最後が膨らみ気味になる
ある程度削る材料が直線でなくとも、均一に削れるように
台を調整しているからだ
それに対し長台鉋は、直線が出ていない材料は鉋屑が均一にはでない
逆に言うと、手入れされた長台鉋で均一な鉋屑が出るようであれば
かなりの通直性が出て、2枚の板を気持ちよくピタッと剥ぐことができる

平鉋と長台鉋は、形は一緒だが根本的に役割が違うのだ
台の直し方一つで、こんなにもシステマチックに機能が違う鉋
本当に奥が深すぎて、残された人生で極める事がでるのかなぁ・・・
でも、ものすごく楽しい

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鉋の話 その2 [道具のこと]

ともです

鉋の「か」の字は、何となく分かったとは言え鉋-1参照
いざ独り立ちして、自己責任で使ってみるとこれがとっても難しい

今迄の日記でも何度か書いたように
机上の知識では、全てを理解しているつもりだった
台の直し方・2枚刃の調整・刃研ぎ・・・
堅木の台に鋼(刃)を差し込んだだけの道具なのに
何てシステマチック、何て思ったとおりに言う事を聞かない奴

使ってみて初めて分かったのは
相手や状況によって、鉋は七変化できるって事
いや、変化させないと使い物にならないって事

粗削りの時・仕上げの時、相手が堅木の時・軟木の時
順目(ならいめ)の時・逆目(さかめ)の時・・・

kanna2.jpg

上手に使い分けてやれば、あらゆるシーンで活躍してくれる兵(つわもの)
それだけに上手に使ってやらないと、思うに任せず振り回される
木の肌を良くしてるんだか、悪くしてるんだかわかりゃしない

こればっかりは、知識だけでは何ともならない
試行錯誤の上の経験に頼らざるをえない
それでも懸命に考えて彼らと共存できる努力をすれば何となく活路あり

毎日のように鉋と向き合ったのは、特注家具屋の10年間だけ
ただピン(最高)の仕事をさせてもらってたおかげで
本当に色んな木達、色んなシーンに出会わせてもらった
邪道だし、信じられないかもしれないが
塗料を剥がすのに使った事もある、アルミのエッジを削った事もある・・・
鉋には悪いが、そのおかげで彼らの本当に優れたその実力も
存分に知る事ができた

人生一生勉強って言うけど、真に鉋との付き合いはその際たるもの
台直しをちょっと怠れば、思うような鉋屑が出なくなる
刃研ぎを怠れば、女性のような肌は望めない
2枚刃の調整を誤れば、逆目は止まらず返って深く掘り返してしまう
あ~~~、年が明けた今、来年は五十路を迎えるって言うのに・・・
まだまだ勉強かな???

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鉋の話 その1 [道具のこと]

ともです

自分が始めて、道具として鉋(かんな)を手にしたのは30数年前
母の紹介でアルバイトに行った装飾屋(何でも屋)

その会社では、図面の見方から、経師・塗装・POP取付・・・等々
内装業に付き物の作業は、殆ど一から叩き込まれた
ただ全ての基本は木工で、先輩の職人横目に
早くまともに木をいじらせてもらいたいなぁ、なんて思ってた

そんな中で、自分の木への執着と熱心さを分かってもらえたのか
周りからは、木工職人と同じ目線で見てもらえるようになり
それまでは、周りの職人に借りていた鉋や鑿(のみ)や鋸(のこぎり)も
自分の道具として、持たなくてはいけないような環境になってきた

初めて購入した「鉋」忘れもしない、もちろん今でも使ってる
刃の長さは半分になってしまい、鉋台も薄くなってしまったが
自分の30年に渡る、木達との触れ合いをずっと傍らで見守ってきてくれた

kanna1.jpg

その頃工場には、Yさんという自分の祖父ほどの職人がいた
もと建具屋だけあって、鉋鑿の使い方は群を抜いて上手だった
二十歳を過ぎたばかりの自分を可愛がってくれて
鉋鑿、道具の仕込みや刃研ぎも一から教えてもらった
3年居たこの会社で(木工は1年足らずしかまともにはやっていない)
とりあえず、鉋の「か」の字をかじれたのはYさんのおかげだ
どうしてるだろう・・・元気なら90を出たくらいだろうか
感謝感謝

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