特注ステッキの製作①・・・難しいご依頼と材選定 [木工のこと]

脚の不自由な方から、特注ステッキ製作のご依頼をいただいた

永年愛用の組み立て式ステッキの一部を不注意で折ってしまい
ご自分で補修したものの、心もとなく不便しているとのこと
元来、木にもご興味がおありの様で、折角の特注品製作
ご自分で、あるサイトからご購入した材で現況同様の組み立て式と
別に、1本物のステッキのご用命をいただいた

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組み立て式は時間もかかりそうだし、何より「今」不自由と
お耳にしたので工房内をくまなく探索、早速に手持ち材で
ステッキに使用できそうな何材かを、フォト送付してご要望を伺った

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速やかな対処への謝辞と共に、ソノケリンでの製作希望を伺い
すぐさま、ご教示いただいていた勾配サイズへカットダウン

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先様のお手元にある、金属製のグリップにあった金物を用意し
ソノケリンと同様の硬度を持つ別材で、接合ボルト埋め込みのテスト

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旋盤もなく、ましてやボーリングマシンなどあるわけもなく
とにかくステッキ断面に直角に開孔することに専心

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何とかうまくいった、、、としてステッキ型への研削を開始
上記のように旋盤はないため、直線の得意な長台鉋を中心に
4角⇒8角⇒16角⇒32角⇒内丸鉋、まで通直性に留意して手削り

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最後は、誰もがよくやる、電ドルを使用した手製旋盤で円形研削
グリップ部分と、足先部分の直径がご要望通りか確認

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締め切らず、ソフトにねじ込んでおいたボルトを引き抜いて
接着剤を入れてねじ込み、、、の前に、反応時間の相違する
2種類の接着剤の強度試験を実行、さして変わらぬものの
一般的に硬化が遅いほど強度があるので、そちらを選択

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主剤と硬化剤を丁寧にまぜ、開孔部へまんべんなく塗布
ゆっくりと丁寧にねじ込んでいくと・・・「バキッ」。。。
接着剤の塗布量が多すぎたようで、行き場を失った接着剤が
ソノケリンの導管だけでは飽き足らず、表層を割って噴出!

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引き抜いて補修をしてから、再度、とも考えたが
粘度の高い接着剤を噛んだ部分を考えると「無理・・・」
クランプで挟んで、このままぎちっと固めよう

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割れ口はかなり小さくなり、丈夫な樹脂木糞補修も施したので
殆どわからなくはなったものの、このまま黙っては送れない
全てを正直に報告申し上げ、とりあえず使用するには
問題ないことをご理解いただき、オイルでとろっと仕上げ

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それでも先様からは、想像以上に早く手元にきて
不自由から解放されたことへ、改めて謝辞をいただきました
・・・が、自分の沈んだ気持ちは全く治まらず
材料費だけ些少にいただき、手間代はいただきませんでした

次の組み立て式、上手にできるかな・・・不安でいっぱい


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